工場・倉庫等で使用されている水銀ランプ
LEDに替えることで、どこがどう影響したのでしょうか?
で、前の投稿が終わったかと思います。
順序だって、解説するにあたって、まずは、水銀灯(以降:水銀ランプ)の
特長を書いていきますね。
【工場・倉庫で使用されている照明は?】
現在、工場・倉庫などで使われている照明は、
水銀ランプが大半をしめています。
水銀ランプというと、
「どんなの?」
とイメージが湧かないかと思いますが、
「小学校や、中学校の体育館で使われている」
と聞くと、「ははぁ、あれか!」と、お判り頂けるかと思います。
【水銀ランプって?】
蛍光ランプと違って、水銀ランプは、高所から照明を必要とする場合に使われ、
10m以上の距離でも、明るさを確保することができる優れものです。
しかし、直進性が高く、特に真下での明るさが災いして、水銀ランプを直接見てしまうと、
眩しくて、目にはあまりよろしくはありません。
また、直視したあと、違うところを見ると、いつまでも、残像が残ってしまいます。
そのような経験をされたことがありませんか?
これは、水銀ランプを直視することによって、目の瞳孔が一瞬で閉じてしまい、
違うところを見ても、瞳孔が閉じたままの状態になってしまうのです。
その後、周辺をみても、明るく感じなくなります。
(医学的見解があるのですが、私自身もチンプンカンプン(笑)なので、ここでは触れません)
【演色性】
それに、明るいのですが、残念ながら色見には乏しく、
赤の色がエンジに見えたり、黒なのか、紺なのか判別しにくい欠点をもっています。
これを、専門的に「演色性」という
指標で表すのですが、光源(光)がどれだけ自然かを表しているものです。
太陽光 100Ra ※ Ra とは、演色性を表す単位です。100が一番高い数値を表します。
白熱電球 100Ra
水銀ランプ 40~45Ra
蛍光ランプ 60~74Ra
メタルハライドランプ 70~96Ra
LED 75~83Ra
無電極ランプ 80~85Ra
★ 水銀ランプ以降は、大体の目安です
上記を見ても、水銀ランプは、自然の光にほど遠い光であることが判ります。
なので、最近は、メタルハライドランプを使用している所が多くなってきています。
これは、演色性も高く、明るさも水銀ランプより、より明るくなっています。
が、眩しさは、さらに強くなり、目には良くありません。
【電力量と寿命】
電力量と書くと判りにくいかもしれませんが、
大まかなタイプとして、
・250W(250W以下もあります)
・400W
・700W
・1000W
・それ以上
と、使用用途によって、W数を変えるんですね。
工場や倉庫で一番多く使われているのが、400W・700Wタイプで
400Wタイプは、高所天井の10mまでの高さ、10m以上の場合には
700Wタイプが使用されております。
小学校などの体育館は、400Wが主流になるかと思います。
この、400W 電気代に直すと、どうなるかというと、
現在、電力は、1時間1kWあたり、値上げされたので、22円ぐらいになってます。
計算しにくいので、「1Kwh = 20円」と
すると、
400W ÷ 1000W × 20円 = 8円/Kwh
となります。700W ですと、14円/Kwh です。
1時間に 8円 か!
と思われるかもしれませんが、1灯だけならまだしも、
50灯を12時間点けっぱなしにすると、
8円 × 50灯 × 12時間 = 4,800円 ※ 700W:8,400円
となり、1日で、かなりの電気代になってしまいます。
一般家庭で、月にもよりますが、8,000円ぐらいが平均の使用かと思います。
独り暮らしであれば、月に2,000円~3,000円ぐらいでしょう。
それだけの電気代が、1日で使用されることになるんですね。
それに、水銀ランプの寿命は、さほど長く無く、スペックでは「12,000時間」と
記載されておりますが、半分の「6,000時間」を過ぎると、光力もダウンしてきて、
常に明るい状態にはならず、半分から残りは、暗くなって、明るく感じる事が無くなります。
【水銀ランプのデメリット】
それだけでは無く、スイッチを入れると、白熱電球や蛍光ランプのように、
すぐには点灯することはなく、もし、一度消してしまうと、再点灯に
10~20分の時間を要するので、一度点けてしまうと、
使用が終わるまで、消す事が出来ない欠点を持っています。
また、寿命から考えると、交換頻度が頻発し、高所に設置されているため、
ランプ代だけでなく、交換工賃が割高になってしまう欠点も持っています。
【次世代の照明群】
そこで、名乗りを上げたのが、LED!
日本のお家芸の技術力で、
「瞬間点灯/再点灯、長時間寿命で演色性も高い!」
と謳い文句に、政府からの後押しもあり、更なる開発が進められてきております。
LEDは、確かに、省エネ商材として有効であり、明るく演色性も高く、
最近は、コスト面でも、かなり落ち着いてきたので、企業での採用も
増えてきているのですが、場所や使用用途によっては、
「LEDでは具合が悪い」
ことも、報告されており、
せっかく導入しても、見直す企業も出てきております。
今回の投稿はここまでです。
掘り下げて、書いていくと、長くなってしまいますね。
では、何が、具合が悪いのか?
次回解説してまいります。